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2025.08.05

島の鼓動を感じる ― 伊平屋の伝統芸能と祭り

伊平屋島には、古くから受け継がれてきた祭りや伝統芸能が今も息づいています。五穀豊穣や航海の安全を祈る祭事、地域ごとに伝承される舞踊や歌。島の人々の暮らしと信仰が織りなす年中行事を通して、伊平屋ならではの文化と心にふれてみませんか?

伊平屋村の伝統芸能

琉球の行事の多くは稲の祭りに由来します。戦後、県内の多くの地域で祭りが失われる中、伊平屋村では稲作文化と共に伝統行事が受け継がれています。

特に注目されているのは田名地区の「ウンジャミ(海神祭)」で、神歌「テルクグチ」や野甫に伝わる「イルチャヨー」は伊平屋と伊是名のみに残る貴重な文化です。

また、十五夜祭りでは術棒や村芝居などが披露され、地域の老若男女が一体となって楽しむ伝統行事として続いています。
現代化により簡略化されつつあるものの、村の精神文化として今も大切に守られています。

伊平屋村の伝統芸能の様子1

ウシデーク(牛デーク)

ウシデークは、女性たちが健康と世の繁栄を願って舞う伝統行事です。
婦人数名が円陣を組み、「大田名節」など4曲をゆるやかに舞い歌います。

紺地の着物に白足袋の踊り手のほか、花笠と紅型胴衣の「胴衣舞(ルジンメー)」、青地の紅型を着た「仕立ミヤラビ」も加わり、舞の彩りを添えます。
四竹(シチク)の響きや優雅な扇の使い方など、王統の島らしい洗練された美しさが感じられます。

ウシデークの様子

田名のウンジャミ

旧暦の8月17日(ウンジャミの日)に行われる祭りで、海神を迎えて豊漁を祈願します。
神アサギでノロと神女4名が「神遊び」(オモロ=神歌)を歌い踊りながら魚とりや船漕ぎの所作で歓迎します。

その後、小高い丘に上りウムイ(神歌)を歌い神に別れを告げ、東岸の岩の上に整列して歌い合掌し、海神を見送ります。

田名のウンジャミの様子

八月遊び

我喜屋では、8月11日に行う、八月遊びが有名。
遊びとは、芸能娯楽の総称。夕方、殿内(とぅぬち)と呼ばれる拝所に舞踊の行列(道ジュネという)の一部が到着。
棒踊りや、舞踊の「お初」が奉納されます。

八月遊びの様子

我喜屋の綱引き

収穫への感謝と来年の豊作祈願をこめて、旧暦6月25日に行われます。
県内他地域では藁も大半が輸入で、イベント化する傾向も見られますが、稲作の盛んな本村では今も地元の稲で縄をない、本来の「祈り」が息づきます。

我喜屋の綱引きの様子
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